『フューチャリスト宣言』 梅田望夫/ 茂木健一郎
脳科学を専門とする茂木健一郎と、ウェブ進化を研究する梅田望夫。一見なんの関連性もないように見える二人だが、インターネット登場当初からそれを利用してきたこの二人のウェブに対するスタンスは、意外にも多くの共通するところがあった。脳科学の視点から、ネット上の現象を脳の仕組みと類比させて述べている茂木さんの見解も非常に興味深かった。
二人の共通認識の一つに、インターネットの特質を「公共性」と「利他性」ととらえている点がある。ネット上で情報は広くオープンに共有されるべきで、そうした「公共性」というのは私も認識していた。しかしネットの成り立ちと運営の裏には大勢の人々の、ボランティア精神とでも言えよう「利他性」があることは、正直あまり意識したことがなかった。でもよく考えてみると、例えばwikipediaにしろブログにしろ、そこには「利他性」の精神がつきものである。何かの報酬を得るためではなく、自分の持つ情報や知識を共有しようという「利他性」がネットの価値を支え、またより高めていっているのだと思った。もう一つ二人の共通認識として注目したいのが、インターネットには無限の可能性があるという点である。ネット上からどういった情報を選択していくかは完全に個人の自由であるが、その時に自分の志向するものを十分考慮し選択する必要がある。そしてこの先、そうした選択能力がいっそう問われていくことになるという。ネットの活用の仕方について私自身あらためて考えさせられたし、まずは無限の可能性を秘めたネットの世界にもっと飛び込んでみようと思った。
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